『悪くはないが…。』
悪い意味で広く浅いか…。
筋肉や骨など解剖学的な部分は『スーパーマンガデッサン』と同程度。
あってないようなもの。
タイトルどおりマンガ的なデッサンがメイン。
内容的には全身のパーツを学ぶ、横向き・フカン・アオリの体を描く、
様々な動作、ポーズ、重心とバランス、キャラクターの描き分け、
性格別デッサン、服の描き方などありがちな部分は一通り網羅している。
だがこれらに関しては特に目新しい情報はないし
何より一つ一つの情報量が少なくかなり中途半端。
特に横向き・フカン・アオリの体を描くや服の描き方、銃・ナイフを構える、
動きのあるポーズ、マンガの描き方あたりは内容が薄すぎてページの無駄。
この分他のページの内容を濃くして欲しかった…。
基本的にこのあたりは『スーパーマンガデッサン』の方が優秀。

ではどこが参考になるかというと
個人的には表情や年齢別の作例など首から上に関する内容と
実に50ページ以上を占める第2章のフォトキャプチャーデッサンか。
（ページ数的に明らかにこれがメインだろ…；
フォトキャプチャーデッサンは写真→リアル系マンガデッサン→マンガデッサンという作例に
いくつかの解説を加えたものを2ページ一組の構成で様々なポーズで行っただけなのだが
作例を担当している方が中々上手く
デフォルメする際にはどこを誇張すべきかなど個人的には結構参考になった。
ただし、作例は女性キャラに偏っている。

総論としては
いまいちどういう人をターゲットにしているのか謎な本だが
ある程度デッサンができてデフォルメに興味ある人なら参考になる部分もあるかと。
初歩から学びたい人は他の本を買った方がいい。
評価としては3.5ぐらいだが作例が結構好みだったので4にしておきます。